あなたは、会話が得意な方だろうか?
もし、コミュニケーションが得意でいつも会話が盛り上がるというならこの記事は読み飛ばしてもらって構わない。
昔の私がそうだったが、コミュニケーションが苦手で、会話の場面になるとお地蔵様の様にじっとしてただニコニコしていたり、信号機の様にイエス、ノー位しか言えなくなったりする。話しかけられても会話が途切れてしまいがちで、もっと頭の回転を良くしたいと思ったりする事が多いなら、この記事が参考になると思う。
雑談には噺家のような話術や豊富な知識とユーモアのセンスの磨かれた頭脳など持ち合わせる必要は無い。ほんの少しのテクニックを覚えておくだけで良いのだから、その内容を実践してみて欲しい。
目次
雑談、会話術のパターンを使えば乗り越えられる
ただ質疑応答するだけではだめ
何の気なしに始まった研究
コミュニケーションが苦手だった私は求人募集を見て、ただ何の気なしに相談員としての仕事を始める事になった。
元々理論派の私はただ相手の悩みを聞き、瞬時に思いついたいくつかの解決策の中から的確な答えを導き出しアドバイスするだけなら難なくこなせるのだが、まるでテストの点数の悪さを指摘されうなだれた中学生よろしく、浮かない顔で納得しない顧客も多かった。
相談者が私の提案にうん、そうだ、と合点が行きそれを実行するために重い腰を上げてもらうには、やはり相手に好感を持ってもらう必要があったのだ。
意図的に会話を組み立てる
会話のうまい同僚たちは、雑談の中から相手の心をほぐし、その場の居心地いい空気を共同で作り上げていく。その感覚が相手の素直な言葉を導き出し、更に的確な解決策をともに実行しようという感動のフィナーレに突入していく。
それに気づいた私は、もっと気の利いた会話からその場の空気を温めていこうと、本題に入る前の雑談に時間を掛ける事にしたが、ボキャブラリーの貧弱な私は次から次へと言葉のパンチを繰り出す百戦錬磨のおしゃべり好き達には到底及ばず、雑談というリングの上で有効打を打つことが出来ずただただ空振りを繰り返すのだった。
自分の心の中から「おい、もっとその空っぽの頭を使ったらどうだ?」という声が聞こえてきたものだ。
会話にはパターンがあった
のべ3,000人を超える相談者と面談、雑談する中で、話し上手な人(成功者に多い)には好感度の高い人が実に多い事が分かった。
やはり話し上手であればモテる訳である。
異性同性、老若男女問わず好感を持たれるのだから、仕事にも成功するわけだ。
その成功者たちの会話から多くを学ぼうとペンを片手に記者の様にメモし、持ち前の理論派ぶりを発揮し科学者の様に分析してきたところある共通点がある事に気づき、テクニックとして利用することにした。
それを意識することで私も会話を上手くコントロールする事が出来るようになり、相談業務が一層円滑に進むようになったのである。
この方法は今からすぐに実践することが出来る簡単なテクニックで、新人研修やコミュニケーションの相談を受けた時のアドバイスで伝えてきた、会話を弾ませ、相手から話を引き出す究極のテクニックだ。
これをアドバイスした後輩たちは殆どの人がその後、会話に苦手意識があっても以前ほど恐怖を感じたり緊張したりしなくなったと言ってくれる。
今から実行できるシンプルな雑談、会話術とは何か。
好感の持てる雑談、会話とはどういうものだろう?
即実行できる簡単な5つの会話術とは
1.あいうえお作文で相槌のバリエーション
単調な相槌は工夫しよう
話好きな人は常に自分に興味があり自分が中心に話を進めようとする。
特に話好きでなくても誰しも自分に関する事に興味があるものだ。
共感の言葉、相槌をいくつか用意して相手の話に興味がある事が伝わるようにしよう。
「へえー」「そうですか」の繰り返しではちゃんと話を聞いてもらっているのか 不安になり、相手はもっと話を盛り上げようと自分の話を繰り返すか、あなたとの会話に興味を失って背中を向けて立ち去ってしまうだろう。
それがお客様なら、2度と戻って来ない かもしれない。
相槌の種類は多ければ多いほど相手の気分が乗って来て、会話を盛り 上げることが出来るので便利に使えるものだ。
元々会話が苦手なのにそんなに多く相槌の種類など考えつかないよというあなた。
その場で思いつく簡単な方法がある。
あいうえお感嘆作戦
大喜利によく出て来るあいうえお作文からヒントがつかめる
相手の話に感心する様に、あいうえおの頭文字をつかって声を出す事から始めるのだ。
「あー」と口に出せば自然と「分かります」や「そうですね」と出てきやすくなる。
相手もあなたに気付きを与えた手ごたえを感じやすい。
「いいですね」と言えば相手を承認して気分を良くする事はもちろん、その場全体がポジティブな空気に包まれる。「いいですね」は世界中いたるところで使われる最強のプラス言葉である。
「うん」「うーん」と傾聴の意思表示をして話し手に満足感を与えよう。
「ええ」とまた傾聴の意思を示し、時に「えーッ?」と驚いて見せよう。
「おお」も次に驚きや「いいですね」「そうですね」などの言葉をつなぎやすい
他にも当然、驚きの「はー」や関心の「なるほど」「ふーん」などもあるが、要するに重要なのは相槌に感嘆詞をつけ相手の話に夢中になっていると思わせる事だ。
まるでエキサイティングな冒険談や大発見を聞くような歯切れのよい感嘆詞と共感の言葉で、興奮した観客の様に話にのめり込み、次は何かと話を最後まで聞く姿勢を見せること。
感嘆詞をつけて大きく反応する事で話し手に雄弁に語ってもらおう。
あいうえお感嘆作戦の他に、相手を気持ちよくさせる誉め言葉のバリエーションがあるのでこちらも紹介しよう。
さしすせそ持ち上げ作戦
銀座のホステスとは今や死後なのかもしれないが、昔は「銀座のホステスが使っている」と言えば、「全米が泣いた」と同じくらい聴衆の耳を引きつけて皆その話題に食いついたもの。
その銀座のホステスが使っていると言われるテクニック中でも筆者が印象深く心に残っているのが、この相手を褒めるさしすせそから始まるフレーズ集 だ。
都市伝説かもしれないが銀座どころか地方のどこにでもある○○銀座商店街はじめ職場や学校でも、女性がこれを使う事でいとも簡単に男性を気持ちよくさせ、手のひらの上でコロコロと転がす事が出来るらしい。転がされた男性の方はその快感を求めて足蹴くその女性のもとに通い続けるという寸法だ。
- さ「さすがですね」
- し「信じられない」
- す「すごいですね」「素晴らしい」
- せ「世界一ですね」「センス良いですね」
- そ「そんなことがあるんですか」
女性の発する言葉として心の中でこれらの語尾にハートマークでもつけておけば良いだろう。
ビジネスや普段使いにも使えるので実践してみよう。
このテクニックは女性だけでなく男性でも使えるが、使う相手は男性の場合が良い。
男性という悲しい生き物は無意識のうちに競争意識に支配されているので、褒められれば機嫌がいい。だから使う相手は男性の方が効果的である。
男性相手に使うと効果的な「さしすせそ持ち上げ法」を覚えておこう
バリエーションはいくつも作れる
あいうえお、さしすせそに限らず、かきくけこでも
- カッコいいですね
- 厳しいですね。
- クーッ!凄い。
- 見当もつかないですよ。
- こんなの初めてです!
まみむめもでも
- まあ!
- 見たことないです。
- 無理無理無理(笑)。
- 滅多にないですね。
- もー。
等大きくリアクションを取れる感嘆詞をゲームの様に考えながら繰り出すのもコミュニケーションの楽しむ方法になる。
女性には共感言葉のローテーション
相手が女性の場合 は人にもよるが、競争より共感を重んじる傾向があるので、
- 「そうだよね」
- 「分かる―」
- 「私もー」
のローテーションでその場の空気感を共有するつもりで相槌を打つ ようにする。
そうすればほぼ乗り切る事が出来る。
2.相手の話を最後まで聞き満足感を与える
マイクを奪うな
相槌と同じくらい大事なのが、最後まで我慢強く話を聞くことである。
話を聞いてもらった相手は一旦落ち着き、次にあなたの話を聞いてあげようという精神状態になるもの。
決してやってはいけないのは、相手の話を遮る事だ。
これを頻繁にやられると一気に話す気が無くなってしまう。
頭の良い人ほど無意識にやってしまってはいないだろうか。
結論を先回りする愚か者にならない
誰だって相手の話の一区切りが7割から9割ほど終わったところで、だいたい内容が見えてくるものだ。
そこで、話下手な人は相手の話をフォローするつもり、あるいは効率よく会話を進めるつもりで、フライングスタートを切ってしまう。
相手が、話のバトンを渡そうとしない内から走り出し、ついには置き去りにしバトンパスに失敗してしまう。
自分が賢いアピールをしたいエリート集団の会議においては、そのまま自分一人で走り去る道化師まで現れる 始末だ。
意外と難しいフライング抑制
「あー、はいはい○○の事ね」とか
途中から「・・・○○○○なんですよね」と被せて話を横取り。
心当たりはないだろうか。
途中で意味が分かっても最後まで黙って聞いているのは意外と根気がいる。
ましてや、「ああ要するに○○というですね。」などとまとめようものなら、あなたの話は解りにくいと言っているようなものだから禁句として覚えておこう。
頭が良いアピールは、往々にして相手の自尊心を傷つけ不快にさせるものである。
頭が良い事と賢い事は違う。
頭が良いと思われたかったら、何でも相手の話を横取りし、さら全てにおいて反論してみると良い。
頭の良い愚か者の出来上がりだ。
相手の気持ちを想像できる賢い人間になりたいものである。
会話の時は意識して、話の最後まで聞かずに自分の意見を重ねてしまったり、要約してしまったりする事が無いように 常に細心の注意を払うようにしなければならない。
特に、反論したい時は十分意識しないと話の割り込みを無意識にやってしまうので気を付けよう。
反論はタイミングに気を付ける
最悪なのは途中から割って入って「でも~」と反論してしまい、バトンを奪い去り逆方向へ走り出してしまう事だ。こうなったら競技失格どころか観客の笑いものだ。
話を遮られ、結論を先取りされたり、反論されたりするとフラストレーションから、その相手の話を不快に感じるようになってしまい、反対意見に納得してもらえる可能性は低い。
割り込んでの反論など愚の骨頂だ
途中で結論が分かったとしても反論したくても最後まで聞く。
相手が意見を十分出し終えてスッキリしたところでこちらも話をすると素直に聞いてもらえるというものだ。
さすがに、ここまで読み進めてきたあなたは、好意を持たれたい相手に闇雲に反対意見をする事は気を付けると思うが、この話を遮ってまとめてしまう事はよくあるNG行為 なので気を付けよう。
3.シンプルな方法はオウム返し
簡単な即効性のある会話術とは。
相手が自分の話をしてきたら、その内容をそのまま繰り返すだけのオウム返し作戦だ。
会話の内容に不自然さを感じさせないシンプルで最強の会話術といえる。
会話上手な女性などは無意識に使っている場合が多い。
「昨日は買い物に行って新しい服を買いました。」
「へえー、そうですか。良かったですねー。」
一見会話が成立しているようだが、これではおしまいだ。
相手にパスが渡っていない。相手に会話を続けさせていい気分になってもらおうという意欲が無い、思いやりのない会話だ。反省しなければならない。
それではどうすれば良いか
それが、基本中の基本であり完全無欠の会話術
秘儀『オウム返し』である。
秘儀オウム返し
なあんだ、ただ言われたことを復唱するだけかと侮ったあなた。
もしやっていなければ馬鹿にせず一度やってみると良い。
その簡単でかつ便利な使い勝手に会話が終わった後に自分自身でうなずくことだろう。
何でこれまでこんな簡単な方法を使ってこなかったのだろう、と。
「昨日は買い物に行って新しい服を買いました。」
「へえー。昨日?新しい服を買ったんですか?」(自然な感じでオウム返し)
「そうそう、ずっと欲しかったんですけど、どうしようか悩んでいて。思い切って買っちゃいました。」
「ずっと欲しかったんですね?それでついに思い切って買ってしまったと。」(再度、オウム返しの術で切り返す)
「そうなんですよ。だから今度いつ着ようかとワクワクしています。」
「それは、ワクワクするでしょうね。今から楽しみですね。」(オウム返し後、変化をつけて相手の気持ちを表現する)
どうだろう。
ただ、相手の言った事を繰り返すだけで、相手を肯定したことになり、承認欲求を満たされた相手は、更に自分の事を話したくなる。
オウム返しなんて効率が悪い、同じことを繰り返すくらいなら「分かりました」でいいではないか、という考えが私たちが犯しがちな間違いだ。
「○○しました。」
「そうですかー。」
では駄目だ。会話が終わってしまう。
理屈ではない。「そうですか。」というセリフで相手には話を切り上げるタイミングを探せという暗示が掛かっている。 強烈なサブリミナル効果があるのだ。
「そうですか」で私たちはいとも簡単に会話終了のチャイムを鳴らしてしまう
更にお気づきだろうか。オウム返しは自然な感じで疑問形となり、ついついそれに答えてしまいたくなる要素を持っている。
ここが重要なポイントだ。
自動的にあなたが会話を回す事が出来る仕組みなのだ。
何も難しい事はしていない。
ただ、相手の言葉を繰り返しているだけなのに、である。
4.共感話法
相手の気持ちを表現してあげる
上の会話例を見てみると
更に、2回目の返しの時に、『楽しみですね』『大変でしたね』『驚いたでしょう』など、相手の気持ちを表現してあげる共感話法を付け加えてワンセットとしている。
共感してもらえた相手はもっと話を聞いてもらいたいと思い、会話のスパイラルにいとも簡単に入る事が出来るのである。
分かります
共感話法にはほかにも
相手が気持ちを表現した場合
「分かります」「分かる気がします」などの相槌を打ってから簡単に言葉を付け加える方法も使いやすいので覚えておこう。
「本当に頭に来ちゃった」
「分かります。それは怒りますよね。」
など
まれに感覚の違う可能性
注意するのは、相手が気持ちを表現していない場合
相手が自分の想像通りの気持ちであるとは限らない。
「辛かったんじゃないですか?」「驚いたんじゃないですか?」など、私だったらこう思うけど、どうでしょう?といった立場で聞いてみるようにするのが無難だ。
コミュニケーションに不慣れな場合はこのような表現を使うようにするといいだろう。
いずれにしても、オウム返し話法に共感話法を加えるだけで、コミュニケーションが不得意な人でもちょっとした雑談、会話導入のコミュニケーションなどはいとも簡単にこなす事が出来るのである。
オウム返しに行き詰まったら
それでも
いつまでも、オウム返ししていられないと。
オウム返しも次第に相手の引き出しが無くなってきたらどうするか。
というあなた。
次は、質問をしてさらに話を広げて行こう。
その質問が思いつかないから私は話下手なんだよというあなた。
会話に応じた質問をその場でアレンジできれば確かにこんな会話術など不要だろう。
しかし、会話に不慣れな私たちでもいつでも使える汎用的な質問があるではないか。
5.5W1Hを繰り出す
困ったらいつでも使える質問
いつWhen、どこでWhere、誰がWho、何をWhat、なぜWhy、どの様にHow
そう、いわゆる5W1Hという奴だ。
これらを思いつくまま使えば、最低でも4つか5つの会話の応酬が出来るだろう。
- When【いつですか】
へえー、じゃあいつそれを着ましょうか? - Where【どこですか】
どこの店で買ったんですか? - Who【誰ですか】
誰かと一緒に行ったんですか? - What【何ですか】
なにで行ったんですか?車ですか? - Why【なぜですか】
なんで、それが気に入ったんですか? - How【どんな・どうやって】
どんな服が好きなんですか?
どうやって探すんですか?
など、他にも5W1Hに絡めて色々な質問が出来るはずだ。
オープンクエスチョンを使う
中でも、使いたいのは「Why、なぜ」と「How、どんな・どうやって」の2つ。
質問には答え方によって2つの種類がある。
「イエス」「ノー」など、一言で答えられ完結する、閉じた質問=クローズドクエスチョンと
言葉をいくつか使って複雑に様子を表わさなければならない、開いた質問=オープンクエスチョンだ
- 「買い物に行ったんですか」はい
- 「いつですか」昨日です
- 「どこですか」新宿です
- 「誰ですか」姉です
- 「何ですか」電車です
などはどれもほぼ一言で答えが完結してしまうクローズドクエスチョンで、多用するとアンケートや取り調べの様になってしまう。
積極的に使いたいのはオープンクエスチョンだ。
「なぜ・なんで」や「どんな・どうやって」など相手がいくつかの言葉を使って状態を表現しなければならない質問をする事によって、自己開示を促す。自然と会話が盛り上がり関係性を深めるのに役立つだろう。。
そこから、発展したらまたオウム返し、共感、5W1Hのループを使えばしばらくは雑談を続けられる。
話はスパッと切り上げて大丈夫
中には話の切り上げ方が分からないという人もいるが、それは気にしなくても大丈夫だ。
要件が終わり、雑談でコミュニケーションを取っているだけの時であれば、どんなに盛り上がっていようと切り上げたいタイミングで上記の3つのテクニックを止めるだけでいい。
序盤で述べたように、オウム返しをせず「そうですか」「そうなんですね」の言葉を発すれば自然に場の空気をクールダウンさせられる。
すかさず「では次○○があるので」「もうこんな時間」など軽く断るか、単純に「それじゃあ、また」と言って会話を終了すれば良いだけだ。
要件さえ終わっていれば、それで気を悪くする相手はいないだろう。
実践テクニックのまとめ
無意識に繰り出せるように実践
順番を覚えて実践を繰り返す
お分かりだろうか。
これまでの5つの会話術を使えば、苦手な雑談も乗り切り事が出来るはずだ。
常に微笑みを浮かべて笑顔で挨拶すること。そして
- 相槌のバリエーションで話を引き出す
- 相手の話を最後まで聞き満足感を与える
- オウム返し
- 共感を伝える
- 5W1H質問で話を広げる
5つの会話術をワンセットで、自分のものにできるまで繰り返し実践しよう。
この会話法は基本中の基本であるから、このパターンにとらわれすぎない様にして
慣れてきたら状況に応じて自分の話などを織り交ぜて、自由な会話の展開を楽しむことが大切だ。
ただまずは、無意識にオウム返し、共感、5W1H質問を繰り出せる様にして会話のキャッチボールを自分のものにしておこう。
苦手意識が克服できればいい
話し上手には元々の才能も関わってくるから、話し上手になれるかどうかは分からない。
だが、気付いたら少なくともあなたの苦手意識は薄れているはずだ。
まずはオウム返しと、相手の気持ちを言葉に表現してあげる事で、肯定し承認することを意識しよう。
少なくとも悪い印象を持たれる事はない。
いつも、笑顔でいよう
雑談初心者はまず話しかけてもらう
いわゆる雑談のテクニックを身に付けるとしても、会話下手な人間がいきなり自分から気の利いた話題を話しかけるというのはいくら何でもハードルが高すぎる。
会話が苦手なあなたはまず話しかけるよりも、話しかけられやすい状態を作る事が一番だ。
自分から話しかけるのは好きでなくとも、話しかけられる事のメリットは多い。
いつも、無表情で仏頂面の人に話しかけたいと思うだろうか?
不機嫌そうにムスッとしている人に近づいて話しかけよう等というチャレンジャーもいるかもしれないが、不機嫌な人は大概共同体の和を乱す空気を読めない奴認定である。
最も一緒にいたくない人、嫌われる人ランキングNo1.は「不機嫌な人」であることを覚えておこう。
雑談苦手で、それでいて孤立したくはない私のようなわがままな人間は話しかけてもらうのが一番。(笑)
それにはいつも笑顔でいる事だ。
楽しい事も無いのに笑顔でいられないというかもしれないが、サービス業などは笑顔を作る仕事で、それを1日中実践している人は多い。
印象を悪くしたくないと思ったら、自分に甘えずとにかく『顔の筋肉を動かして笑顔のような表情を作る』 ことを実践しよう。
微笑みが最強の武器
それにしても、何もないのにいつも笑顔でいられないというあなた。
はい、実は私もそうである。
挨拶は当然笑顔でやるとして、特段話しかけられる前から笑顔でいるのは少々、何だか、わざとらしさも伺えよう。薄気味悪い気さえしてくる。
何もない時は「微笑み」を浮かべておこう。
微笑みとは無表情と笑顔の中間の事であり、笑顔の様に熱量の高いアクション性、メッセージ性は無く、無表情の様に冷たくもない、ポカポカした春の陽気の様に暖かく、穏やかで抱擁感、知性と余裕を感じさせる大人の表情であり、いつでも話しかけられるような隙を見せて相手の警戒心を解く、コミュニケーションのアイドリング状態の時の表情である。
軽く口角を上げる事を意識するだけで良い。
いつでも私に話しかけて良いですよ、という雰囲気を出しておこう。
実際、話しかけられなくても微笑みを浮かべているだけで無口でいても嫌われることは無い。
コミュニケーションの第一歩はここからだ。
ましてや、慣れないうちから気の利いた言葉の一つでも掛けようなんて色気を出しちゃあいけない。
私のようなものには十年早いというものだ。
いかにして自分から話しかけるかではなく、最初は受け身でいい。
いつも話の輪に入れないという場合、もしかしたら無表情で話しかけづらい雰囲気を出しているのかもしれない。
慣れない内は意識しなければならないが、話しかけられたかったらニコニコしていればいい。
きっと集団の中で話好きな人が話しかけてくれるはずだ。
そこから暖かいコミュニケーションを生み出していこうではないか。
コミュニケーションが苦手なら自分から話しかけるより、微笑みを浮かべて話しかけられるのを待つようにしてみよう
雑談の中身はどんな内容が良いのか
あなたに関心があると示す
関心事の一番は自分の事
雑談の内容は正直「何でもいい」が正解である。
コミュニケーションにおいて肝に銘じておかなければならないのは
人間誰しも一番の関心事は自分自身の事である。という事だ。
上記の様に思い込むことが大切だ。そして、ほぼ例外はないのだから。
以前パソコンに興味を持ち始め、常にパーツやデバイスを探して街を歩けばパソコン関係のショップにアンテナを張り巡らせていた若いころの私は、「パソコン」の看板を見つけて、こんなところにパソコンショップが出来たかと喜びもう一度よく見ると「パチンコ」と書いてあってガッカリしたやらそこまで一つの事に心を奪われていた自分に驚いたという経験をしたことがある。
人間はいつだって自分に関係のあるものにしか興味はないし、どんな雑踏の中からでも、自分の興味のあるものは見つけ出し、関連付けてしまう。雑音の中からでも自分の名前にだけは反応出来たりもするのだ。
常に自分に注目してもらいたい。関心を示してもらえば気分がいい。
特別な存在だと思われたい(自己重要感)。
自分を認めてくれて、自分の事に関心を示してくれる相手には好意を持つように出来ている。
それを常に頭において会話を進めよう。
真心を込めてと自分に言い聞かせる
気を付けなければならないのは、これらのテクニックは例えあなたが考え事をして上の空であったとしても無意識に会話を広げられる ので、そのおざなりな雰囲気が相手に伝わってしまう可能性もあるという事だ。
ただ相手を褒めておだててばかりいると見透かされては逆効果になりかねない。
前提にあるのは、あなたの普段からの心掛けだ。
会話の前に「真心を込めて」 と意識する
何事にも心を込めることが肝要だ。
忙しい時、心配事があるときこそ、あいさつや会話の機会には相手に集中しよう。
きっと良い印象を持ってもらえるはずだ。
そこから、じっくりと関係性を作り上げて行けば良い。
会話の目的は相手に好かれること
長所をアピールは逆効果
会話の目的はいろいろあるだろうが、コミュニケーションの結果相手に嫌われようと思う人はいないだろう。
相手に好印象を持ってもらう事が前提にある。
特に気に入った相手の場合、関係を近付けるチャンスだ。
では、どのような会話を心掛けるのが良いだろうか。
相手に好感を持ってもらう事が目的なのだから、自分の長所をアピールする?
賢明なあなたならそれが間違っていることはすでに分かっているかもしれない。
自分が他人より優秀でありたいと願うのは人間の本能だ。
ついつい自慢したくなる時だってある。
自分の長所をアピールしたい気持ちは解るが、逆の立場ならどうだろう。
相手から散々自慢話を聞かされ、優位に立たれたと感じた相手はどの様な感情を抱くかは簡単に想像できる。
人間関係はその瞬間瞬間で相対的なものである。
それはシーソーの様に入れ替わり決して同じ方向に動くことは無い。
ある瞬間では相手を尊重し持ち上げる。その時無自覚に自分はへりくだって相手より下にもって行かれるのだ。
自分が長所をアピールし上に立とうとすると、シーソーの相棒は下に降りていかなければならない。
人間関係は常にそれが交互に繰り返されている。交互に繰り返す事でバランスの取れた対等な関係でいられるわけだが、7対3、或いは8対2の割合で相手に上に立たれたらどうだろう。
この人とは次に会っても会わなくてもどうでも良いと思うに違いない。
いや、二度と会いたいとは思わないだろう。
はい、そこでその人との関係はほぼ知り合いのままお仕舞いである。
次に会ったとしてもあいさつ程度、実の無い天気の話や政治の悪口、良くて相手のファッションをほめる程度、深い話などせずにお互いにメリットではなく退屈な時を共有する関係になる事は目に見えている。
相手が有数の富と実力をもつ有力者や権力者であった場合、その機会損失は計り知れない。
常に相手主体で考える
相手に好かれたいと思ったら、相手を気分良くさせる事である。
それにはその時だけでも相手の事に興味を持ち、どうやったら相手に自分の話をさせる事が出来るのかを考える事だ。
意図的に上辺だけでも良い。とにかくここはテクニックを使って相手に主導権を渡して気分良く会話を終わらせる事を第一に考えよう。
人間関係で大切な心構え
気持ちの良いキャッチボールを心掛ける
自分もお返しに話をしよう
話し上手になるためにはまず相手に気持ちよく話をしてもらう事だ。
聞き上手に徹しているうちに次々と話を引き出せるようになり、総合的に話し上手になって行くという訳である。
相手が自己開示したうえであなたの場合を聞いてきたら、可能な範囲で誠実に答えてあげよう。
相手の情報だけ聞き出して自分は「私は特に無いです。」などともったいぶって話さないとなれば不公平感を与えてしまう。
慣れない内は必要最低限でも良い。逆の立場でターンが回ってきた時には礼儀として自分の話もしなければならないだろう。
お返しに自分の話をする事で距離が縮まって行く事は忘れないようにしよう。
マウントを取るより取られる
相手に好意を持ってもらう事に成功し、話が盛り上がってくるともっと自分の事を話したくなる事もある。そんな時も相手に話をさせる事を忘れてはいけない。
注意したいのは自分アピールのスイッチが入って熱くなってしまう事。
間違っても相手の上に立たない様、相手にマウントを取ってもらうように話すのがコツである。
ボールを投げ返す
良く「会話のキャッチボール」と言われるように自分の話を十分したら、必ずボールを相手に渡すように心がけよう。
- 「それで、あなたの場合は?」
- 「○○と思いますが、どうでしょうか?」
のような言葉が使いやすいので覚えておこう。
余談だが、このボールを投げ返す意識はビジネスの場面や職場、学校でもタスクをスピーディーに進めるのに役立つ。
仕事ではすぐに投げ返せ
共同で行うタスクには数回の確認、修正作業が必要だ。
あなたの所に依頼や作業の順番が回ってきたら、即座に仕上げてさっさとボールを投げ返してやるのだ。
常に相手にボール持たせる事で責任を負わせることが出来るのだ。
いつまでもボールを持っていては作業が進まないし、気になって身軽に動けない。
連携が遅いことが常態化するとプロジェクト自体の進行が遅くなる。
相手はボールを待ちわびている
雑談テクニックの中でもこのボールを投げ返す方法は最重要課題として常に心がけよう。
会話だけでなく、人間関係の全てにおいて投げられたボールはリズムよくなるべく即座に投げ返さなければならない。
ボールが返ってこない相手はそわそわしながら待ち続け、その内愛想をつかして他の相手を探す事だろう。
目標に向けて走り続けるあなたにとっても、他人のボールをいくつも抱えたまま でいる事はその脚を鈍らせる事に他ならない。
コミュニケーションに話を戻すと、常に相手に話の主導権を渡す事でキャッチボールを続けることが重要だ。
できる人はボールをいつまでも持ち続けない
集団の中で助けて、助けられている
協力があるから生きていける
人は集団で生きる社会的動物だ。
個人と集団の関係性を良くしていく事で、より多くのメリットを享受していけるのである。
コミュニケーションが取りやすい相手とは関係性が良くなり、助け合いの精神が生まれ共同体としてお互いに協力し合いながら生活を良くしたり、目的を達成したりすることが出来る。
インターネットで何でも検索したり、経済活動をしたり出来るので全く困らないとの考え方もあるだろうが、それでも現実社会でコミュニケーションを取れる方が有利である。
孤立してしまったら全て自力で探し準備し、実行しなければならない。良い情報も悪い情報も、協力者も集まりにくく何事にも非効率な人生になってしまう。
ネット社会でもオフラインでも、他人と協力し合えるほうがメリットが多いのである。
孤立しないためにはただ一つ『嫌われないこと』である。
コミュニケーション苦手なら孤高の存在になれ
孤独が好きなのは構わない。
私もそういうタイプの人間だから良く分かる。
一人が落ち着くという人は多い。ただ、周りを敵に囲まれて孤立したいと思うだろうか。
それならば、他人に迎合せず自分の意見と生き方をしっかり持った『孤高の存在』を目指すのだ。
孤立と孤高は違う。
孤立は嫌われ者であり、孤高は尊敬の対象だ。
孤立も孤高も注目の対象だが、中身は正反対だ。
孤立するものは協力を得られないが、孤高の存在なら必ず協力者が現われる。
コミュニケーションが苦手で孤独でいる事が好きではないが、安心できて居心地がいいあなたの目指すべき生き方はそこにあるかもしれない。
一人が落ち着くような人間にとってコミュニケーションとは最低限自分を孤立させないための手段であり、理想の人生に近づくためのツールである。
その能力を手に入れない選択肢は無いと筆者は思うのである。
ある映画で印象的なセリフを覚えている。
主人公は言った
I’m alone. Not lonely
俺は一人なんだ。寂しいんじゃない。
総まとめ
会話の苦手意識を無くし話し上手になるための方法は3つ
- 反応の良い相槌を打つ
- 話を遮らない
- 話し終わったらボールを投げ返す
後は1~3の流れを繰り返すだけで、無限ループの様に雑談などの会話を持続する事が可能となるのだ。
常におもてなしの意識をもつ
コミュニケーションはおもてなしだ。
いかに相手の気持ちを良くして、自分を好きになってもらうかだ。
まずは、相手を尊重しよう。
相手の話を最後まで聞き続け、寄り添うように会話をする。
自分の事を話すのはおもてなし程度にしよう。
そうすれば、その先に自分の思い通りのストーリーに相手を導く事の可能性が広がって行くのである。
この記事や前回の記事の基本的なコミュニケーション術のいくつかを少しずつ出来る事から始めよう。
この基本のすべてを常に使いこなせるようになれば、上級のユーモアだったり、頭のよさそうな会話術だったりは必要ない。
この基本セットをまずマスターしておけばある程度の会話上手に引けを取らない雑談、コミュニケーションが可能になるはずだ。
社会的な技術として身に付けよう
雑談は上手に他人との折り合いをつけて生きるための社会的なテクニックである
広いコミュニティでは良い人間関係を構築していこう。
対個人では好きな人に気に入られる様に会話を楽しみながらますます関係性を近付けて行こう。
あなたの毎日のコミュニケーションが緊張と恐れから肩をすぼめてやり過ごす人生 から、余裕とワクワク感で堂々と目標達成への道の真ん中を威風堂々と闊歩する人生 に変わる為の武器になる事を祈って、キーボードから手を放す事にしよう。