おでかけ

レジャー気分で簡単登山を満喫。100名山で1番の低標高。筑波山の魅力大公開。

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文明がますます発展し、さまざまな活動が効率的になっていく一方、体を動かす機会は減り続けている現代、健康の為にジム通いやヨガなど適度な運動を取り入れる人の数は年々増えているという。

様々な健康法ブームが現われては消えて行く昨今、登山愛好者は年々増え続け、世界遺産にも登録された富士山などはまるでアリの行列の様に人の渋滞を生み出している。

一方で健康の為に運動をしたい。程よく運動も出来て、景色のきれいな場所へ日帰りでドライブしたい。
そんな関東在住のぬるい感覚で楽しみたい、あの重装備で朝日の登る何時間も前から、山小屋を出て気の遠くなるような苦行の歩みを進めて行く覚悟もない我々にぴったりの筑波山らくらく登山ルートを紹介したい。

一度は訪れてみたい筑波山とは

関東を代表する山のひとつ

筑波山は茨城県にあって、何も無い関東平野にポツンとひときわ存在感を放つ富士山と並んで関東を代表する山のひとつ。
茨城県の小学生は必ずと言っていいほど強制的に訪れると言われる、アクアワールド大洗水族館と並ぶ遠足のメッカでもある。

もちろん日本百名山に数えられ、その中でも最も低い877mという標高で山の低さはナンバーワン。
登山ルートも比較的穏やかで初心者にはトライしやすく、多くの登山客で賑わっているという。

本格登山かお手軽登山か

筆者も当然登った事はあるのだが、それでも登山口から頂上までしっかり登ると2時間近くかかり、ランニングをした時位に心拍数も上がる為、それなりに心の準備というものが必要だ。

やはり、家族やデートなどで気軽に筑波山登山に出掛けるのはハードルが高い。
ところが安心してほしい。
筑波山にはありがたい事にケーブルカーという文明の利器が山頂近くまでのワープルートとして設置されている。
ケーブルカーを利用するだけで、キツイ登山も心躍る展望レジャー体験へ早変わりなのだ。
今回は軽い運動で関東平野の雄大な景色を楽しめる筑波山のお手軽登山メニューと注意点などを実践レポート。
見るだけで分かる、お手軽レジャーガイドとしてご覧ください。

 

準備は何が必要?

普段の格好で大丈夫。

いきなり山頂の画像といきますか。
ご覧の通り皆さん軽装だ。
常識的な事だが、足元はかかとの低い靴が必須。
それでも筆者以外はお目に掛れなかったが、革靴でも良いくらいだ。

持ち物も普段の外出用のバッグなどで良いだろう。
筆者の場合、財布以外は手ぶらかペットボトルの水程度があれば困らなかった。
ケーブルカーの時間が終わってしまったなど、いざ自力で降りなければならなくなった時の為に雨合羽などを用意してもいいかもしれない。

特別な事はいらないので、準備が出来たら早速GOだ!

筑波山の山頂は2系統

ご存知の方も多いと思うが、筑波山には2つの山頂が存在する。
標高871mの男体山と標高877mの女体山である。

お手軽登山に無くてはならないサポート設備である乗り物もこれまた珍しくケーブルカーとロープウェイの2つが一つの山に設営されているのだから至れり尽くせりだ。

どちらを選ぶかはその内容によるがそもそも
ケーブルカーとロープウェイはどう違うの?

ケーブルカーとは 急な坂をケーブルでけん引されながら地面を走るバスや電車の様な乗り物だ

ロープウェイとは 上空に張ったロープから懸架されたゴンドラで空中をはしる乗り物だ

  • 筑波山神社と一緒に観光するならケーブルカー
  • 空中からの展望風景を楽しみながら女体山山頂を目指すならロープウェイ

といったところだろうか。
ケーブルカーの山頂駅からは徒歩で男体山、女体山どちらにもおよそ15分で山頂まで辿り着くことが出来る。
ロープウェイの終点は女体山のすぐ下だ。
徒歩で5分程で女体山山頂を征服することが出来る。

ケーブルカーとロープウェイ両方使用は時間が必要

ロープウェイから男体山を目指すには女体山山頂を下り、ケーブルカーの山頂駅のある御幸ヶ原(みゆきがはら)まで約15分歩き、そこからまた15分男体山山頂へ再び登る。

ケーブルカーとロープウェイの駅が徒歩で約1時間とかなり離れているので、ケーブルカーのふもとの駅から歩いてロープウェイの駅まで歩いて戻るのは大変だ。
帰りはまた女体山ロープウエイ駅まで30分戻らなければならない。

ここでは筑波山らくらく登山のお勧めとして筑波山神社から筑波山山頂へとつながるケーブルカーを使ったルートを解説するとします。

到着から登山入り口まで

週末の筑波山は大人気

筑波山神社にカーナビをセットすればケーブルカーの乗り場までたどり着くことが出来る。
午前11時過ぎに訪れると筑波山神社前の道路は、渋滞とまでは行かないが数珠つなぎになる一歩手前という感じ。
それでも車が完全に停止してしまうという事は無い。
周辺に駐車場が多く点在していて、次から次へと流れ込んでくる車の量を吸収してくれているのだ。

筑波山神社の前の通りを最後まで突き進むと土産物店とホテル前ロータリーで行き止まりになっている。

誰もがそこでUターンして次の駐車場を探して右往左往という有様だ。
筆者もそうなりかけたのだが、Uターンしてすぐ斜め上に向かう道路を発見そこへ登っていく車もいるではないか。

日曜日の午前中から駐車場は満車

神社横の細道を登っていくと民間の駐車場が点在するエリアだ。
立ち並ぶ民家の間のスペースを可能な限り駐車場にして、観光客を迎えてくれているありがたい存在だ。

そこもほぼ満車状態だが、少し待っていると出て行く車がいるので順番に入れ替わることが出来る。

料金は一回500円。
備え付けの封筒に自分の車のナンバーを書いて料金と一緒にポストの様な料金箱に投入という仕組みだった。実に上手いシステムだ。(記憶違いもあるかもしれないがとにかく無人料金所)

登山入り口は筑波山神社から

ようやく車を止めて筑波山神社へ徒歩で向かう。
道案内の看板などを見ながら他の人たちに付いていくと3分前後で神社に到着

 

神社横の入り口に到着するような位置だ。
改めて正面に回り込むと参拝客がチラホラ。
長時間並ぶこともなく参拝する事が出来た。

関東に人が住むようになってから約3000年山岳信仰の象徴として存在する筑波山
筑波山神社は万葉集にも載っているかなり古い歴史を持っていて山の神様を祭っているという。
歴史ある荘厳な佇まい。
一際大きな鈴に目が奪われる。

君が代の歌詞が彫り込まれた「さざれ石」があった。


国家に出て来るさざれ石の本物にこんな意外なところでひっそりと出会えたのには驚き。
普通に設置されていて人だかりも出来ていない所を見ると、どういう文化財的な価値があるのかは首をかしげたくなるところではあるが
信仰心の全くない筆者でも霊験あらたかな歴史の重みのようなものを感じられた。

境内脇には参拝の作法も書いてあるので初めてのお参りでも安心だ。

トイレは神社の左手、ケーブルカー乗り場へ続く道の手前にある。

ケーブルカーで登る山頂前広場

ケーブルカーでらくらく時間短縮

トイレから坂道を登っていくとケーブルカー乗り場となっているが、道中に一軒みやげ物屋。

そこから更に階段を少し上がるとケーブルカー乗り場に到着だ。

料金はご覧の通り
大人片道590円だが、往復1,070円が現実的


因みにJAFの会員証を提示すると往復で100円の割引が受けられるのでお得だ。

販売窓口の他に自動券売機でも購入できる。

 

 

ケーブルカーは毎時00分、20分、40分の20分おきの発車時刻となっている。
約8分の乗車時間で山頂駅である御幸ヶ原まで到着する。

筑波山神社から徒歩で登山して御幸ヶ原までなら1時間半かかる。
登山好きなら適度な運動になって丁度いい時間なのだろうが、素人には少しハードルが高い。
そこをケーブルカーなら8分で到着するので相当な時間短縮だ。

景色を楽しみながらゆったり移動

列に並んで待っているとケーブルカーが到着する。
斜めにひしゃげたような独特の形をしたレトロ感覚の車両。
この車両に107人が乗れるというのだから結構運べるという印象だ。

社内ではケーブルカーについての説明アナウンスが流れている。
大正時代に作られた関東では箱根に続き2番目に古い開業だという事。
1.6㎞と日本で3番目に長い距離を自転車とほぼ同じ時速12㎞で進むなどなど。


山の傾斜と自然豊かな景色を車窓か眺めながらケーブルカーに揺られていると、途中ですれ違う車両のお客さんや登山客が手を振る和やかな光景を目にする。

山頂駅から男体山頂上まで

山頂の御幸ヶ原は出店も充実

山頂駅に到着し御幸ヶ原の広場に降り立つと、予想外の広さに直前までの車内空間から解放されて、心の中に大きく余裕が生まれたような晴れやかな気分だ。

御幸ヶ原にはこんな山の上にみやげ物屋、食事処、展望レストランなどがあり、休日の人出も手伝って祭りの様な雰囲気。

もちろんケーブルカー利用者だけではなく、ふもとから1時間以上かけて歩いてきた登山客で賑わっている。


ガマの油売りの大道芸人が陽気な声で口上を述べて観客の注目を集めている。

眼下には関東平野が広がり観光客の心を魅了する。

ケーブルカーでここへ来ただけでも十分楽しめる。何しろほとんど体力を使っていない。

広場に設置された地図を見ると、ここから15分程かけてど男体山、女体山どちらの頂上にも行ける事が分かる。

男体山山頂の方が近いようなのでレジャー登山にはこちらの方がお勧めである。頂上には展望台が設けられている。
少し運動量を増やしてより標高の高い女体山山頂ならゴツゴツした岩肌のワイルドな山頂が体験できる。

今回は難易度の低い男体山に上る事に

山頂へ続く登山道は少し心拍数が上がる程度の不規則な階段の坂道とその先にややきつめの岩山が待ち受ける。時折手を使ってよじ登る箇所があるが軽いアスレチックの様なものだ。
レジャー気分で楽しめるレベルに違いはない。
もちろん履物はトレッキングシューズ、スニーカーがお勧めだ。
カジュアルな革靴で来ているのは見たところ筆者だけ。
足を挫くなどの問題はなかったが、土埃で靴が汚れてしまうので全くお勧め出来ない。

山頂には整備された展望台と祠のようなものが山の神様を祭っているようだ。

山頂から見る景色が素晴らしかったのは言うまでもない。
みんな思い思いに記念撮影してゆったり山頂を楽しめるのも男体山の特徴だ。

 

 

日本初という山頂の気象観測所もあり、筑波山の気象情報を発信しているという。

帰りは同じルートを降りて再び御幸ヶ原に戻る。

山頂での食事から下山

意外な落とし穴に注意

少し遅い昼食を取るために立ち並ぶ食事処の中からうどんの美味しそうなお店をチョイス。

中々、気さくな女将さんと従業員のお姉さま二人で切り盛りしているような昔ながらの食べ物屋である。

ここで本日最も注意したいポイントを申し上げねばならない。

訪れたのは1時半ごろ である。
店内に足を踏み入れると、気さくな女将さんが何やら言っているがよく意味が分からなかった。
女将「何名様?」
筆者「3人です」
女将「ごちゃごちゃ…」
筆者「??」
女将「じゃあ、この3名さんまでだったら良いですよ。そちらにどうぞ。」
筆者「はーい。分かりました」
何か引っかかる。
着席してメニューを眺めていると、人気の山頂広場だ。すぐに次のお客さんが入ってくる。
女将「あーもう、今日は終わっちゃったんですよ。」

今日はもう終わっちゃった?

そう言われてとまどうお客さん。
女将「よそももうこの時間は終わってますよ。」

お昼を過ぎたと言っても平日ならまだしも、休日のまだ午後1:30である。

あまりにも早いオーダーストップではないか。
これが筑波山のいや、山の常識なのか。
事もあろうに山に登ろうという者、もっと朝早くから行動して、山の神に礼を尽くし昼を過ぎたらとっとと下山して家族に心配をかけぬ様、明るいうちに安全無事に帰宅の途につけ、という事か。

兎にも角にもギリギリ運が良かったという事だ。
よくよく下調べもせずのんびりと食事でもしていくかと、ゆっくり構えていたのだから。

山へ行く時は周辺施設の営業時間は調べていこう。

腹ペコのまま失意のうちに帰るところであった。

注文した食事は登山の後、空腹で待ち望んだという事を差し引いても、どれも満足いく美味しさであった。

もつ煮定食

肉うどん

けんちんうどん

もつ煮の味付けは特に筆者好みでまた来たいと思えるほどだ。

下山のケーブルカー乗車はお早めに

この時間、周辺のお店も当然のように食事の提供を終了している。

登山も終わり、食事処も閉店となれば後はみんな考えることは同じ。
そう山を下りるのみだ。

筑波山の魅力を十分に堪能して来た道を引き返すべくケーブルカーの駅に向かうと発車を待つ人が既に数十人並んでいる。

これはもう1本位待つだろうか。
家族で筑波山の印象などを語りながら次の車両の到着を待っていた。

ふと振り返るとはるか向こうまであっという間に行列が伸びている。
我々の家族など先頭グループと言って良いほどだ。

ここでもまた山では、いや観光地では早めの行動をせよとの教訓を学ぶ事となる。
この気の遠くなるような行列に嫌気がさして徒歩で下山したとしてもそれ以上の時間と労力を費やして同じ場所にたどり着くのだ。

それでもただぼんやり待つよりは旅の経験としてそちらを選んだ人もいたかも知れない。

結局筆者は一本も見送ることなく最初の車両に乗り込むことができ、すんなりケーブルカーで楽々下山できた。
案外乗れるものだ。

帰り道でのお土産も忘れずに

お土産は筑波山名物かりんとう饅頭

帰りには筑波山の名物かりんとう饅頭をお土産に買って帰ることに。

麓へ下る途中の道沿いにカリントウ饅頭の販売店沼田屋がある。

休日の夕方近くとあって大繁盛で駐車場待ちの車が列をなしている。

駐車場は10台あるかどうか。台数が少ないので待ちが出るが、小さな専門店なので回転も早い。

沼田屋のカリントウ饅頭

買ってすぐの出来立ては外がカラッと揚げられサクサクで中はしっとりのこし餡が詰まっている。

オーブンで温めなおしてもいい。
なかなかカロリーの高そうな、それでいて甘さ控えめで何本でもいけてしまいそうな悪魔のような逸品なので、一度試してみて欲しい。

 

沼田屋本店
〒300-4353 茨城県つくば市沼田1400
営業時間 9時~18時(詳細は確認を)
電話番号 029-866-0036

 

そんなこんなで緩いレジャー登山を楽しんで帰宅した筆者家族でありました。

まとめ

ご紹介した通り、筑波山は小中学校でもアクティビティに取り入れられるくらい老若男女誰でも楽しめるレジャースポットの一つ。

ケーブルカーを利用すれば難易度もグッと下がり気軽に楽しめます。

首都圏からは高尾山登山並んで気軽に出かけられて、観光と運動、お土産のオマケまでついた便利な場所なので、ドライブの目的地に迷ったら是非選びたい候補の1つではないだろうか。

お店の閉店時間にくれぐれも気をつけて、普段の生活也人生と同じく早めの行動を心がけて有意義な1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

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