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プライドが高い人はなぜ失敗するのか。知っておきたい3つのパターンと対処法

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他人から良く見られたい、異性同性限らず大切な人物には好感を持ってもらいたい。ただ単にモテたいと思うのは人の性(さが)である。
以前の記事で、モテるためにはその場で格好をつけても誤魔化せるものではないと書いた。
具体的には普段からどれだけ戦っているかがその人の雰囲気となって現れるという内容だ。

戦っている人はそれなりに厳しい環境で生き延びてきているので、おのずとプライドが備わってくる。
言い換えればプライドを持って生きる事で、その人からオーラが放たれて輝いてくると言っても良いだろう。

一方でプライドが邪魔をして相手を遠ざけたり、せっかくのチャンスを逃したりしている事に気が付かない人が多い。
これは筆者が長年の相談活動から得た経験だ。
所謂表面的にプライドが高いように見える人はそのプライドが妙に邪魔をして、人間関係を悪くし、もったいない行動を繰り返している。
結果的に人生が上手く行っていないのだ。

今回は、プライドが及ぼす悪影響の典型例3つと、その対処法について解説します。

意外と知られていないプライドの本当の意味

プライドには2種類ある

これまで筆者が各種調査、教育関係など3,000人以上の個別相談を受けてきたなかで、「プライド」という言葉の使い方に2種類のものがある事が分かってきた。

  • 受動的でネガティブな意味のもの
  • 主体的でポジティブな作用のあるもの

よく言われる「プライド」とは受動的に作用するネガティブなものだ

対して、主体的でポジティブなプライドというものがある。

他人とは関係なく自分の基準をしっかり持って人間関係の荒波、荒野を突き進む原動力となるポリシーのようなものだ。

「プライド」という言葉の持つ印象は?

残念ながら「プライド」という言葉には相手次第の受動的でネガティブな作用のものが多い。

あの人はプライドが高い。お高く留まっている。

プライドが邪魔をして人に頭を下げる事が出来ない。

といったような状況だ。

どちらも、どう見ても親しみやすく好感の持てる人物に使われるような表現ではない。
むしろ嫌われ者に使われるような代物だ。

ところが実際には他人より優秀な成績を修めたり、高い収入を得たりといった経験を積み自分を立派な人間だと思っている人間こそ、その経験をお腹周りの脂肪の様に「プライド」として無意識に蓄積させていくのである。

それは、自分自身がどうこうというより他人と自分を比較して、どう行動するか「プライド」がその方向を決定しているという事である。
そしてそれは、大抵の場合ネガティブな方向に進んで行く。

他人と比べるという他人軸

受動的なプライドが成長の妨げになる

受動的でネガティブなプライドは主に誰かと比較された時に表れる。
他人に認められ、優位に立ちたいと思う気持ちは本物のプライドだろ
うか。
その様な他人と優劣を競うようなプライドが高いと、人間的な成長の足かせになってしまう。

他人より優れていたい、一人だけ後れを取りたくない、というのは人間の本能である。それは認めた上で、その本能をコントロールする事で自己のモチベーションアップに繋げるのは良い。
但し、プライドが邪魔をして自身の成長を止めるようではいけない。

具体的にどのような影響が出るのか見てみよう。

1.機会損失が大きい

成長、成功するチャンスを逃してしまう

最も多いのが弱い所を見せたくないが故に他人に教えを乞う事が出来ず、成長、成功の機会を逃すパターン。

以前私が所属していた調査会社の打ち合わせに参加していた時の事、集客を効率的に行う○○という当時話題の仕組みについての提案が出た時に、上の立場の人間がその○○という仕組みについて詳しく知らなかった。
その上司は「確かに、それは有効ですね。それも試しておきます。それから先ほどの~」と話をスルーして他の話題に移ってしまった。
提案をした部下を含め周りの人間は驚きである。
だれもが、この上司のただ恥を掻きたくないから、話題を変えてやり過ごそうという心理を理解していたのだ。
自分のプライドを優先して、部下の大切な提案を握りつぶしてしまったと。
ここはもっと議論を尽くすべき所なのに、この人は自分が知らない話題をスルーしてしまう様な愚かな選択をする人なんだな。と彼はその場にいる全員から無能上司のレッテルを貼られてしまったのだ。

自分が相手より無知だと思われたくないという全く何の役にも立たないプライドと引き換えに、相当数の見込み客と周りからの信頼を失ったいい例だ。
その○○という提案をした部下に内容を聞き、もっと話を掘り下げて打ち合わせをすれば、今よりも遥かに売り上げが上がるというのに、部下に頭を下げて教えてもらうのが嫌だというだけで、そのチャンスをドブに捨ててしまったのである。

これは、自分が常に相手より優れている、自分は集団より劣っていない、と思わせる為に勉強、成長の機会を逃している良い例だ。

自分の成長も進むべき道も人からの評価を気にして、人任せ。
プライドが有害になるのはほぼこのパターンだ。

そんなプライドは何の役にも立たない

1.の対処法

よく見られたいという見栄を捨てれば得るものが多い

気になる事があるならば、分かったようなふりをしてやり過ごすことなく、相手が後輩だろうが子どもだろうがその場で質問して、更に実のある会話に繋げていき、自分の見識を増した方が遥かに人間関係や生産性が向上する。
ことわざにある通り、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥である。

昔の様に、その場で聞かないから一生知らないままという事は無いが、やはりその場で知識を共有出来ていない事は相手にも伝わるし、新たなアイデアや建設的なコミュニケーションを築く障害になるのは想像に難くない。

この人は知ったかぶりをしてやり過ごそうとしている、と思われることが重なれば、嘘をつく人だという印象が刷り込まれ評価を下げる事につながる。

人より上に立ちたいと思う気持ちを捨てる事が、むしろ尊敬を集める事につながるのだ。

他人軸のプライドを捨てれば世界が変わる

 

2.周りに後れを取ってしまう

プライドという鎧が重すぎて後れを取ってしまう

もう一つ、プライドが邪魔をする例として、謝る所や劣っている所を見せたくないが故に、遅れて集団に参加できないというパターンがある。
遅刻するくらいなら休んでしまえというもので、不登校や当日欠勤にみられるパターンだ。
不登校ではこのパターンが多い。

体調や起立性調節障害によって朝が弱い人はいる。
だが途中からでも登校したり、出勤したりした方が自分にとっても周りにとっても有益であることは分かっているのに、途中から集団に加わる事で謝罪したり後れを取った者として注目を集めたりすることが嫌で、何らかのもっともらしい理由をつけて休んでしまう。

それが毎日の事になると、不登校や離職に繋がってしまう。
正にプライドが邪魔をして成長のチャンスを逃す例である。

2.の対処法

自分が思うほど他人は人の事に関心は無いと理解する事だ。

みんな自分の事で一生懸命だ。自分以外の者が仕事場や学校に遅れて来ようが、間に合おうが一瞬の事案でしかない。その後は自分の事に興味が移る。

あなたが他人の行為を妨害などしない限り、いちいち、あいつが早く来ただの遅れて来ただの何が原因だなどと真剣に考えてなどいないという事だ。

それよりも、あなたは自分自身の勉強や成長のチャンスを逃さない事の方が大事だと意識する事だ。

必要があれば、途中からだろうとほんの少しの時間だろうと、参加すべき所には参加する事が自分の利益になるのだ。誰も気にしていないあなたのプライドという幻想 でふいにしてはいけない。それを何度も自分に言い聞かせよう。

他人の事情など誰も気にしていない。

 

3.余計な物が増え大切なものを失う人生となる

余計な物に支配されて人生を見失う

他人より優れているから尊いと思っていると常に他人や環境に反応し振り回され、最終的に本当に得られたであろう利益を失う。
あの人が○○を持っているから自分も同じものを、あいつに負けたくないからもっといいものを手に入れよう。
あいつと同じものは嫌だからこっちにしよう、などまるで他人任せの人生である。

要らないものを手にする代わりに、その時間とお金を使って得られたかもしれない本当に必要な物やチャンスを失っているのだ。

3.の対処法

世間体というものを気にしすぎない事だ。

自分は自分。他人は他人という事を再認識する必要がある。

世間体が大事なのは人様に迷惑を掛けない、恥ずかしい真似をしないという、ある種道徳的な面でしか必要ない。

周りより良いものを手に入れよう、よく見られようなどと余計なプライドで必要のない行動を取ってしまうよりも、本当に自分を成長させるような、自分に必要なものにお金と時間と労力を使うべきだ。

命の時間は有限だ。もっと自分を大切にしよう。他人に合わせて自分の人生を棒に振るのは止めよう。

世間体を気にするのをやめよ。

 

まとめ

頭を下げられないから人間関係が悪くなる

他人任せの受動的な「プライド」が行動を制御すると、
「お高く留まって」周囲に嫌われる事が多くなる。
また、謝罪すると相手より自分が弱い立場に突き落とされるような気がして素直に謝罪できず、その後の協力関係が作れなかったり維持できなかったりする。

これらは全て他人と比較する事で「プライド」を得ようとするから起こる悪影響であり、そのようなプライドは余り過ぎた体脂肪のように様々な病気の原因となる。
今すぐ適切なダイエットをしてそぎ落としていかなければならない。
あなたも知らず知らずの内に受動的なプライドと言う名の体脂肪ででっぷりと太ってしまっていないだろうか。

他人に影響されて自分が損をする、なんと愚かな事だろう。
そんな人生は今すぐやめるべきですね。

他人に左右される受動的なプライドの危険性を忘れてはならない。それを忘れてしまうと

  1. 成長、成功するチャンスを逃してしまう
  2. 周りに後れを取ってしまう
  3. 余計な物が増え大切なものを失う人生となる

この様に生き方を難しくしてしまうので、特に見栄を張りたくなった時には思い出してほしいものです。

それでは、プライドというものはすべてゴミ箱に捨ててしまわなければならないのだろうか。
そんな事はありません。
むしろ主体的なプライドは常に持っておかなければならない、あなたの人間関係を良好にして人生を豊かにする大切な信念なのです。

次回は持っておくべき主体的な本当のプライドについて詳しく解説するとします。

 

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